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【高校サッカー】静岡学園×浜松開誠館、藤枝東×清水桜が丘/第61回高校総体サッカー静岡県大会・準決勝

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準決勝の会場は、沼津市・愛鷹広域公園多目的競技場。公共交通機関からだと大変かもしれませんが、車で行く分には、東名高速道道路・沼津ICを出てすぐなので助かります。        【画像①/山を登って行ったところにあるスタジアム。思っていた以上にスタンドがキレイ!】総体、静岡県大会。準決勝には、静岡学園、浜松開誠館、藤枝東、清水桜が丘の4校が残りました。順当…という言い方は他校に失礼かもしれませんが、この4校はそのまま今年の静岡を引っ張って行く4校だと思います。果たしてどこが勝ち抜くのか…も気になりますが、同じくらい、各校の目指している方向性、その仕上がり具合も気になりますね。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・■準決勝・第一試合/静岡学園×浜松開誠館        【画像②/静岡学園(緑)×浜松開成館(赤)。】試合とは直接関係ないのですが、元清水エスパルスのアレックス・ブロスケのチャント。「アーレ、アレ、アーレ、アーレーックス」って、あれって「Green Day」の「Minority」だったんですね。浜松開誠館も同じチャントを使っていたのですが、コチラは「I pledge allegiance to the underworld…」という部分まで歌っていたので、それで気付いたんですけど。サビの部分だけだと、なんか妙に朗らかになっちゃっていて全然分からなかった(笑)。あと他で気になったのは、浜松開誠館のエース、10.土居のチャント。「きゃりーぱみゅぱみゅ」の「つけまつける」が使われていて面白かったです。チャントの原曲は80年代の歌から最新のものまですごく幅広くって、これを聴いているだけでも結構楽しいものですね。■試合開始。開誠館は4-4-2の並びがハッキリ分かる整った布陣。最初の防衛ラインを静学のDHに設定し、ここからの配給を許しません。そうした、やや引き気味の守備からのカウンターが基本姿勢。奪ったら、前線で待つ9.山崎目掛けて、比較的遠い位置からでもどんどんボールを送り込みます。開誠館は守備も攻撃も狙いが非常にハッキリしていて、奪ったら早く!というのはGKまで徹底されていて。一度、キャッチングからのロングキックで一気にゴール前まで運んでしまったのにはちょっとビックリしました。キャッチングと同時に走り出した前線、そこを見逃さずキックしたGKと、互いの特徴、狙いが共有されていてこそのプレーでしたね。他にも、ロングスローやCK等、セットプレーには練習の跡が見られて…なかなか完成度高いです。対する静学は…4-2-1-3と表現すればいいのかな?(新聞では3-5-2になっていました)隙間で受けようとする前線の選手に向け、DHに入った6番と14番がボールの配給役となり試合をコントロールします。そして印象的だったのが右SBの2.手塚。マイボールになるとかなり高い位置を取る攻撃的な姿勢を見せていましたが、そこでのプレーもなかなか。うまくアウトサイドのキックを織り交ぜて、緩から急のテンポの変化でマーカーより一瞬先にスペースへ飛び出していくなど、アタッキングサードで効果的な仕掛けを見せてくれました。それと静学は、毎年感じることですが…皆一様にターンが上手いですね。狭いスペースでも自信を持って前を向くことができるし、それができるのは周りが見えているからなんでしょう。狭いところに突っ込むな~と思うこともありますが、そうした隙とも思えないようなスペースも活用して、ボールを前へと運んでいきます。守る開誠館と、ボールを回す静学。開誠館の守りに綻びは見られず、静学はなかなか攻撃の糸口を掴めません。しかし、かといって開誠館もカウンターを充実させるほどの余裕はなく…。前半はこのまま終わりそうかな~と思い始めた頃の出来事でした。開誠館が大きく左サイドに展開したボール。滞空時間の長いボールに対して、SBのトラップはたぶんミスだったと思うんだけど…。大きくなったボールがフェイントになり虚を突かれたDFの対応が後手に回ると、飛び出した17.加藤へスルーパスが出されます。ここには慌ててDFがカバーに入りますが、17.加藤はやや外寄りになったDFの体勢を見逃さず、PA内、冷静に切り返しからシュート!これはGKが辛うじてセーブしましたが、このこぼれ球を詰めてきた5.石田が蹴り込み、開誠館が先制点を奪いました。■後半は静学のペース。開誠館は押し込まれ始めます。序盤は互角。この展開だと、膠着してしまって静学は追いつけないのでは…と思っていたら。CKのこぼれ球、GKがクリアしきれなかったボールを25.大坪が蹴り込み静学が同点に追いつきます。開誠館はこの頃から、前線を代えた辺りからボールが前で収まらなくなり、次第に防戦で手一杯になっていきました。スタミナの問題もあったのでしょうが、中盤より前の選手の帰陣が遅れ、プレスバックが機能せずボールホルダーへのプレッシャーが弱くなっていきました。すると静学は、DHの攻撃参加が目立つようになっていきます。押し上げが効いて前線までの距離が近くなったから、この位置からラインの裏へスルーパスが出始め、開誠館はこの攻撃に四苦八苦。DFラインの粘りでなんとか持ち堪えてはいましたが、もはや攻撃に出る余裕は無く…。しのぐ開誠館。あとは時間の問題か…と思いましたが、なんとかしのぎきって、静学としては押しきれず、試合はPK戦での決着となりました。そのPK戦。開誠館は、試合終了直前に投入されたGK1.石田が5本中3本をストップするという驚異的な活躍を見せましたが、それ以上にキッカーが枠を外してしまい…。互いに6人蹴って、最終的には3-2というスコアで静学が決勝進出を果たしました。■振り返り。静学は、手前サイドだったこともあるけど2.手塚の位置取りが面白かったです。必ず大きく開いた高い位置を取り、右サイドでの数的優位を演出します。開誠館がゾーンを意識した守り方…縦に加えて横方向もボールサイドに絞る)から、余計にこの位置はフリーになるんですね。で、対する開誠館。マンツーマンで見れば10.土居がケアする事になりますが、10.土居が2.手塚に合わせて最終ラインまで下がると、ボールを奪っても前に人がいなくなってしまうので…。あくまでゾーンで守ろうと、10.土居は下がらず。ここに対して静学も、ひと手間かけて崩しにかかって。フリーの2.手塚ではなく、少し内側にいる11番がボールを受けることで、開誠館のSBを引き付け2.手塚を完全フリーにしようと目論みます。しかし開誠館もこの狙いを呼んでいたのか、ここへはDHがスライドしてきてこれをカット。静学の思い通りにはさせません。…といった具体で、攻撃側もひと工夫したグループ戦術で崩しにきますが、守備側も守備のグループ戦術で対抗するという、君達高校生なんだよね!?とビックリしてしまうほど高度な駆け引きを見ることができて非常に面白かったです。この守り方、どこかのプロチームに教えてあげて欲しい(泣)。全体としても、静学は縦パスに対して複数の選手が飛び出していくような、出入りの激しい、守備側からしたらすごく掴まえにくい攻撃をしていたと思うのですが、開誠館の守備はなかなか崩されませんでした。ゾーンでやって、ここまで臨機応変に出来ているのは、これは日頃の鍛練の賜物では。後半はさすがに失速し、守り一辺倒になってしまったけど。また、守るという点では静学のCBもがんばっていたと思います。押し込む中でもカウンターへの備えができているから、開誠館はクリアしてもすぐボールが戻ってきてしまって。攻め切れないまでも静学が主導権を握っていたのは、カウンターの芽を摘み続けたCBの頑張りがあったからだと思います。そして攻撃に関しては、例年通り「変幻自在」の強みがありますね。状況を打開する力は抜けていて、高い位置から見ていても次に何が起こるのか予測が難しいくらいです。後は、ポジションを崩して攻める…ということは、被カウンターのリスクを背負っているワケですから、攻撃をいかにシュートで終わるか、でしょうか。開誠館戦の後半はそれが実現できていましたし、それを続けることができれば得点も自ずと増えていくでしょうし。相変わらず、見ていて面白いチームでした。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・■準決勝・第二試合/藤枝東×清水桜が丘清水桜が丘は、旧・清水商業です。この両校、伝統校だけあって?応援団が凄かった。吹奏楽部を交えての応援は見応え、聴き応え十分。両校の選手達を盛りたてます。ちなみに、清水商業は「キヨショウ」の呼び名で親しまれてきましたが、新校名の清水桜が丘は「セイオウ」と呼ぶみたいです。伝統の清商サンバも、清桜(セイオウ)サンバとしてしっかりと受け継がれていました。        【画像③/藤枝東(藤色)×清水商業(青)】■前半。清水桜が丘のプレッシャーに手こずる藤枝東。藤枝東は3-4-3。対して清水桜が丘は4-4-2の並びでした。清水商業は、清水桜が丘と校名が変わっても、スタイルは全く変わりませんね。ボールを奪ったらシンプルに縦へ、サイドへ。そこからのクロスに勝負をかけます。特に8.大石はスピードが素晴らしく、10.城之内、9.信末らと共に前線を所狭しと駆け回っていました。藤枝東は新人戦に引き続き3-4-3の並びで、これに対し桜が丘の前線はどう追いかけていいか…3バックに対し、2トップ+どちらかのSHが追い掛けるような格好になっていましたが、これはちょっとバランスが悪かったかも。追い掛ける前線と後ろの選手達との間にスペースが生まれてしまっていて、藤枝東はここを狙ってボールを運んできます。ただ桜が丘がすごいなぁと思ったのは、球際でかなり激しくいくから、藤枝東はスペースを見つけていてもそこに十分なボールを配給する事ができなくって…。マークが多少ズレ気味でもなんでも本気で奪うつもりで追い掛けているから、相手がプレッシャーに感じて思い通りにパスを回す事ができなくなっていました。これに対して、藤枝東は選手交代で少し選手の位置を変えてきました。6長瀬→2.熱川で、絞り気味だった6.長瀬と比べ2.熱川はサイドに張り出したような位置を取ると、その分ワイドに開いていた11.桜井が中へ入る形となりました。11.桜井はサイドでのパワフルなドリブル突破が持ち味の選手ですが、この試合ではだいぶ警戒されていたし、その対応もあったのかもしれません。で、しばらくは膠着が続くかなぁと思ってい見ていた前半。桜が丘が、走って、走って、走力で強引に得点を奪ってしまいます。 9.信末が中盤で追い掛け藤枝東のボールを奪うと、スピードに乗ったドリブルでマーカーに飛び込む隙を与えずそのままゴール前まで運んでしまいます。そして最後の仕掛け。ちょこんとスペースへ蹴りだしての走り合いは、身体の入れ合いを制したところで勝負あり。その後は、基本通りファーサイドへシュートを転がし、桜が丘が先制点を奪いました。この間9.信末は、ボールを奪いに行ってからシュートに至るまで、60m近くずっと全力疾走だったんじゃないでしょうか。走って走って、球際で粘って…。まさに桜が丘の良さを体現したようなプレーだったと思います。この失点で尻に火が付いた藤枝東。お返しとばかりに、8.片井がドリブルから中央突破を図ります。中盤、マークに来た選手の股間を抜いて局面を打開すると、そのまま一気にゴール前まで侵入。ただこちらのシュートは、桜が丘GK川村が見事なセーブを見せ、得点には至りませんでした。この試合、実力的には藤枝東の方が上かな…と思っていましたし、実際見ていても、やはりそうなのかなと感じました。藤枝東のプレーは合理的に感じられ、プレーの多くがスムーズに前へ運ぶこと、シュートへ繋ぐ事を意識したものになっていたと思います。ただ、意図する展開へ持ち込む前に、桜が丘に局地戦でやられてしまうんですよね。この辺りが相性というのか…わからないものだなと思いながら見ていました。■後半、動きの落ちた桜が丘に対し藤枝東が攻勢に出ます。後半も、立ち上がりは桜が丘のサイド攻撃が目立っていました。シンプルで難しいプレーはほとんどないのですが、早いタイミングでどんどん中へ入れてくるサイド攻撃は十分に強力で。サイド攻撃も、決して技術が高い…というワケではないんですけど。迫力の原因は精度云々ではなく、①サイドは突破してひとつめのタイミングであげる、②中はそれに間に合うタイミングでニアサイドへ突っ込む…という、この2の要素がシンプルに実行されている点にあると思います。その2つをただ実行するだけなんですけど、必ず実行されるから凄いんですね。読まれるとかそういう次元ではなく、ただひたすらそれを目指しての決め撃ちだから、選手に迷いがなく動き出しが早い!だから相手より早く動けて、来るとわかっていてもやられてしまうというか。またそれに加えて、藤枝東はサイドを変則的に置いている分(中盤がかなり絞ったポジションを取る分)、桜が丘のサイド攻撃には相性が悪かったかもしれません。前半の選手交代はその辺りのケアもあったのかも。これは、桜が丘の方が次の得点に強いのかな…なんて思っていたら。この日は尽く感覚が外れ、得点を奪ったのは藤枝東の方でした。桜が丘のプレスを掻い潜って8.片井が中盤でボールを持つと、そこからのスルーパス。これに合わせて飛び出した7.小谷が、GKの動きを見極めゴールを奪い、試合を振り出しに戻します。これで苦しくなった桜が丘。前半からかなり飛ばしてきたためガソリンはエンプティマークが点灯し始め、プレスバックが効かなくなっていきました。藤枝東の攻撃が続きます。中盤、11.桜井の意表を突いたヒールキックをきっかけにマークの混乱を起こすと、最後は7.小谷が決定的なシュートを放ちますが、今度はGKがセーブ。ギリギリのシーンが増えていくと…。 10.からの鋭いフィードでした。このぶつけるようなパスを、8.片井は自らのスピードを殺さないような位置へトラップ。このコントロールが見事でした。これでマークに来た3番の前へ入りこむことに成功し、最後はGKとの1対1を制しゴール!遂に、逆転に成功しました。桜が丘にとっては痛恨の逆転ゴール。もうスタミナも突き始め、勝機を見出すのは難しい状況でしたが…。それでも選手は諦めず走り続け、応援団からもそれを鼓舞するように清桜サンバが、「清桜がんばれ!」のコールが送られます。これが伝統校の力なのか、技術的なミスは出始めていたものの、決して試合を投げるような、いい加減なプレーは見られません。最後はルーズボールひとつ、ファウル、スローインの判定ひとつを奪い合うようなギリギリの攻防が続きましたが、走り切った桜が丘を抑え、守り切った藤枝東がもう一枚の決勝行きの切符を手に入れました。■振り返り。私は気分屋でサボり癖のある人間なので、桜が丘のサッカーはいつ見ても感心させられます。自分が持っていないものを持っている…持っているという表現は選手達に失礼か。それは自動的に手に入るものではないし。それを日々の努力、その積み重ねにより造り上げている、そういう選手達は素直にすごいと思う。年齢、経験に関わらず尊敬の対象になりますね。できることなら勝たせてあげたかった。しかし、勝たせてあげたかったのは藤枝東も一緒です。藤枝東は、7.小谷、8.片井、10.藤原といった選手達のボールの受け方、パスを出すタイミングが上手ですね。うまくギャップを狙って斜めに走り込み、DFが当たりにこられないようなボールの置き方をしている辺り、本当によく考えられたプレーをしている(身についている)なぁといいう印象です。彼らも彼らで、日々の練習から自分達のサッカーを突き詰めていっているんですね。こちらも素晴らしい。後は、もう少し3-4-3がハマってくれば…。勝手な予測ですが、この並びは、以前の4-1-2-3…このシステムをベースに、主導権を握っているのなら、最終ラインに余っている(プレーに関わっていない)CB二人のうち、一人は(プレーに関われる)中盤に押し上げてしまった方が効率的じゃないか?という発想から来ているのかな?と思っています。とすると、4-1-2-3の時同様、攻撃に厚みを加えるのは長瀬、大場といった攻守にどっちつかずの位置を取る選手達の役割でしょう。彼らが攻撃に関わる割合が増えてくると(前線にまで飛び出せると)、相手チームはもう誰をマークすれば良いのかわからないくらい混乱してくるはず。基本的にはバランスをとる存在なのでしょうが、彼らの状況判断に注目してみるのも面白いのかなと思いました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・準決勝の2試合を終えて、決勝は静岡学園×藤枝東という、静岡の代表を決めるのにふさわしいカードとなりました。どちらもポゼッションを握りながら試合を進めていくタイプのチームだけに、そこでの勝負はどちらが上回るのか…。或いは、自分達の戦い方ではなくなった時、それでもその環境下で強みを発揮してみせるのはどちらなのか…。ポテンシャルの高い両校だけに、楽しみは尽きません。決勝は、6日2日(日)14:00~、会場はエコパスタジアム。両校の、個性のぶつかるような試合を期待しています!

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